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バリニーズマッサージの特徴と効果『他との大きな違いは?』

「神々の島」「最後の楽園」と形容されるインドネシアのバリ島。その神秘の島に古くから伝わる伝統的手技療法が「バリニーズマッサージ」です。ゆっくりと深い圧をかけて行うアロマオイルマッサージで、日本人の好みと非常に相性の良いオイルマッサージになります。

 

バリニーズマッサージは、かつてのジャワ王族の女性のための美容法が起源という説もありますが、これはほんの一部のピースにすぎません。実際のバリニーズマッサージは、インド・中国・タイなど、様々な国のマッサージ技術と哲学の融合によって生まれた、とても奥の深いマッサージです。

 

本記事では、バリニーズマッサージの起源や歴史を少し振り返りながら、その特徴と効果、他のオイルマッサージとの違いを解説していきます。

 

ASIAN RETREA TオーナーTaroTaro
米大スポーツ経営学部卒。北海道出身。高級スパ・Google六本木ヒルズオフィス・Kバレエカンパニーでのセラピスト業務、サロン経営を経験後、貿易商社に転職。アジア各国の素晴らしいマッサージ文化と気持ちいいマッサージを皆さまにご体験いただき、心の拠り所となる癒しのリトリートの提供を目指し、湘南エリアにASIAN RETREATを開業予定。

 

バリニーズマッサージとは?【起源と歴史】

バリニーズマッサージとは?【起源と歴史】

バリニーズマッサージは、インドネシアのバリ島に古くから伝わるマッサージです。その起源は諸説ありますが、西暦600年~800年頃にスパイスを求めてインドや中国から渡ってきた人々によってマッサージ技術が持ち込まれたという説が有力です。インド・ヒンドゥー教のアーユルヴェーダマッサージの技術をベースに、中国の推拿(指圧の原点)、ジャワ王朝の美容法など、様々な国や文化のマッサージ技術が融合して進化していったのが、現在のバリニーズマッサージのルーツとなります。

 

インドネシアは13,000以上の島からなる非常に広大な国で、その地域独自のスタイルのマッサージが発展していきました。そのため、アーユルヴェーダ、推拿、タイ古式のように確立されたスタイルやテクニックが存在せず、バリニーズマッサージが文献として記録されたのも1300年代のオランダ植民地時代が最初でした。

 

バリニーズマッサージは、インドや中国の影響を色濃く受けながらも、オランダやヨーロッパ諸国の進入により様々な知識やテクニックが融合した、ミックスカルチャーでユニークなマッサージであると言えます。ちなみに日本も、第二次世界大戦中の1942-1945年にバリ島を占領統治しています。

 

バリニーズマッサージの特徴

バリニーズマッサージの特徴

バリニーズマッサージは、ゆっくりとしたストロークで深い圧をかけて行うアロマオイルマッサージです。マッサージ哲学やアロマとハーブの知恵はインドのアーユルヴェーダから、ツボ指圧やもみほぐしの手技は中国の推拿(すいな)から、その他にも様々な国や文化のマッサージ哲学とテクニックを現地のマッサージ法や美容法と融合させて進化してきたという特徴があります。

 

マッサージ方法

バリニーズマッサージは、足から始まり求心的(心臓に向かう)に行うマッサージですが、西洋のリンパドレナージュやスウェディッシュマッサージのようにソフトタッチではなく、深部組織にしっかりアプローチする比較的圧が強めのディープティシューマッサージになります。これは、指圧の元となる中国の伝統マッサージ療法「推拿」の影響を受けていると考えられています。そのため、ツボ指圧や筋肉をもみほぐすニーディングのテクニックも多く含まれ、しっかりとした圧が好みの日本人に非常にマッチしています。

 

バリニーズマッサージは単一のテクニックに依存するのではなく、様々なマッサージ技術を融合させた、フリースタイルなマッサージとも言えます。基本はオールハンドで行いますが、時にはホットストーンを使用することもあります。インドのアーユルヴェーダ、中国の推拿や足つぼ(リフレクソロジー)、ヨーロッパのスウェディッシュマッサージ、タイ古式マッサージと、いろいろなマッサージの長所と哲学を取り入れた柔軟なスタイルだからこそ、世界的に有名なスパでも広く重宝されているのでしょう。

 

実際に私も、様々な種類のオイルマッサージを経験していますが、バリニーズが最も気持ち良く、疲労回復とリラクゼーション効果に優れたバランスの良いマッサージだと感じています。

 

アロマオイル

アロマやハーブの知恵はインドのアーユルヴェーダの影響を強く受けています。バリ島のパワースポットとして有名な「ウブド」が漢方薬やハーブの名産地でもあり、ウブドを中心にその活用方法が広まっていったと考えられます。

 

現地では、ベースとなるキャリアオイルは、ホホバ、セサミ、ココナッツオイルなどを使用し、イランイラン、ローズ、フランジパニ、レモングラス、ジャスミン、サンダルウッド、ジュニパー、ブラックペッパーといったエッセンシャルオイル(精油)を混ぜたアロマオイルでマッサージを行います。

 

日本で受けられるバリニーズマッサージは、お店によって使用するキャリアオイルや精油は様々かと思いますが、ご自身の好みや体調に合ったアロマオイルをチョイスすると良いでしょう。

 

リラクゼーション

バリニーズマッサージは、心や魂の浄化といった精神的なリラクゼーションも重要視されていて、手に溜めた気を送り込むといったハンドヒーリング的な側面も持ち合わせています。これには、すべてのものに魂が宿ると考えるアニミズム、インド仏教、ヒンドゥー教の集合によって成り立つ「バリ・ヒンドゥー」の教えが反映されています。

 

バリニーズマッサージは肉体と精神の調和、人と自然の調和、そして人と人との調和を大切にした、究極のリラクゼーションを目的としたマッサージでもあります。

 

その他のトリートメント

インドネシアにはバリニーズマッサージ以外にも多数のトリートメントが存在します。ジャワ王室の花嫁のための美容儀式である「ルルール」と呼ばれるボディスクラブ、天然のハーブやフルーツを配合したトリートメントクリームを使って行うヘッドスパの「クリームバス」、バリ島の農村で発展した「ボレマッサージ」などがインドネシアのトリートメントとして有名です。

 

バリニーズマッサージは痛い?

日本で痛すぎるバリニーズマッサージを行っているお店はほとんどないので安心してください。(バリニーズエステと謳っている一部の痩身エステは除きます。)

 

ただし、基本的には深部組織にしっかりとアプローチしていくので、リラクゼーション目的がメインのアロマオイルマッサージ、スウェディッシュマッサージ、ロミロミと比べると、比較的に強めの圧で行うことが多いでしょう。とは言っても、どのマッサージでもお客様の要望やセラピストの力加減次第なので、「バリニーズ=痛いマッサージ」という図式にはならないでしょう。

 

また、現地のインドネシアで受けるバリニーズマッサージは激痛だったという声も多く聞かれます。タイで受けるタイ古式マッサージにも言えることですが、本場のセラピストは日本人セラピストに比べるとやや力任せな施術も多いので、意思疎通がうまくできずに要望が伝わらなかった場合は、正直しんどいほどの痛みを伴うこともあります。

 

日本のリラクゼーションサロンでバリニーズマッサージを受ける場合は、瘦身エステでもない限り、痛すぎるということはないはずです。

 

バリニーズマッサージと他のオイルマッサージとの違い

バリニーズマッサージと他のオイルマッサージとの一番の違いは、様々なマッサージ技術と哲学を融合させた多種多様さにあります。

 

日本で受けられる「アロマオイルマッサージ」だと、決まった流れやスタイルは存在しませんが、その他のしっかりと名の付いたオイルマッサージだと、単一の哲学やスタイルが重要視されることが多いでしょう。バリニーズマッサージは歴史的な背景から、様々な哲学やマッサージ技術が融合した、非常にバランスの良いマッサージだと言えます。

 

バリニーズとスウェディッシュマッサージの違い

バリニーズとスウェディッシュマッサージの違い

欧米で最もポピュラーなマッサージと言えば「スウェディッシュマッサージ」になります。オイルマッサージの基本でもあり、体系化された手技はその他の様々なオイルマッサージでも採用されています。少量のオイルを使用し、軽めのタッチでリズミカルにやや速いテンポで施術するのが、スウェディッシュマッサージの大きな特徴です。リンパや静脈の流れの促進を目的とした求心法でのマッサージで、どちらかと言えば医療的な側面が強いマッサージにもなります。元の元をたどれば、中国医学の中のマッサージテクニックである推拿(すいな)を参考にしたとの記録も残っています。

 

バリニーズマッサージも、基本的には足から心臓に向かう求心的なマッサージではありますが、推拿の影響を色濃く受けているため、より深部組織の筋膜や筋肉にアプローチしていきます。そのため、マッサージの気持ち良さや施術後の爽快感はスウェディッシュマッサージよりも高いでしょう。また、より精神的なリラクゼーションをより追求しているのもバリニーズマッサージになります。

 

バリニーズとリンパマッサージの違い

バリニーズとリンパマッサージの違い

日本でリンパマッサージと言えば、痩身エステなどの強くて痛いマッサージを想像されるかもしれませんが、実際のリンパドレナージュは、皮下の浅層を流れるリンパ液を心臓へと運び戻す、リズミカルで非常にソフトな手技になります。マニュアルでは255g以下の一定の圧で施術していくとあるので、缶コーヒーのロング缶を転がぐらいのイメージでしょうか。フランスやドイツではリンパ浮腫の改善のために医療の現場で用いられていますし、特にドイツでは医療保険の対象にもなっているほどの、れっきとした医療行為になります。

 

バリニーズマッサージも、基本的には足から心臓に向かう求心法ではありますが、あまり浅層リンパを意識はしていません。ただし、筋膜や筋肉といった深部組織にアプローチしているものの、結果として凝りや張りといった緊張が解け、血流が改善し、静脈やリンパ液を伝って流れる老廃物の排出を促す効果は期待できます。疲労回復やリラクゼーション効果を期待するなら、圧倒的にバリニーズマッサージが有利です。

 

バリニーズとロミロミマッサージの違い

バリニーズとロミロミマッサージの違い

ロミロミはハワイの伝統的なマッサージになります。天然の植物オイルを使用し、手のひら、前腕、肘と腕全体を巧みに使って、首から足先、指の先まで、流れるようなロングストロークでマッサージしていくのが特徴です。風や波の音とシンクロした美しいフラダンスを彷彿とさせる神秘的なマッサージです。本格的なロミロミになると、お祈りや呼吸法などを重視したスピリチュアルなものになります。

 

流れるような美しいストロークとその世界観に癒されたい方にはロミロミがおすすめです。精神的な癒しを重視しながらも、より深くしっかりとした圧で肉体的な疲労も解消したい方にはバリニーズマッサージが向いているでしょう。

 

バリニーズマッサージの効果

バリニーズマッサージの効果

バリニーズマッサージは通常のマッサージで得られる疲労回復の他にも、精神的な癒しとストレス解消、肌への美容と、ありとあらゆる心身への効果が期待できる、非常に優れたリラクゼーションマッサージです。

 

バリニーズマッサージで期待できる代表的な効果は以下となります。

 

バリニーズマッサージの効果

  • 血液とリンパの流れを促進させ、老廃物や疲労物質を取り除く
  • 筋肉の緊張を解き、神経刺激による痛みを和らげる
  • 肩こりや腰痛といった体の痛みや怪我を予防する
  • 胃腸の働きを活性化させる
  • リラックス効果によって、呼吸を楽にする
  • 皮膚の状態・質感・調子を改善させる
  • ストレスの解消と、活力・幸福感の向上

 

バリニーズマッサージは、アロマオイルマッサージによるリラクゼーション効果や美容効果が期待できる上に、指圧・もみほぐし・タイ古式のように高い疲労回復効果も期待できるというのが最大の特徴です。スウェディッシュマッサージ、リンパドレナージュ、ロミロミマッサージなどの、ソフトな圧では満足できない方には、やはりバリニーズマッサージがおすすめです。

 

まとめ

バリニーズマッサージは、インドネシアのバリ島に古くから伝わるマッサージで、インドのアーユルヴェーダ、中国の推拿(指圧)、ジャワ王朝の美容法、その他にもタイ古式やヨーロッパのオイルマッサージと、様々な国のマッサージ技術と哲学が融合して確立されていったアロマオイルマッサージです。アロマオイルマッサージの癒し効果や美容効果を求めながらも、しかっりとした深い圧のマッサージを希望の方には最適なマッサージと言えるでしょう。

 

アジアンリトリートでは、バリニーズマッサージの技術や哲学を継承しながらも、推拿をベースとしたもみほぐし、タイ古式、トリガーポイント療法と、様々なテクニックを組み合わせた、まさにバリニーズマッサージの神髄とも言える、柔軟でより優れた効果を求めた施術を行っています。今までのオイルマッサージでは満足しきれなかったという方は、アジアンリトリートのしっかりとした圧で心と体を溶き解すバリニーズマッサージを、ぜひ一度ご体験ください。

 

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